心からのざっくりワードは力強い

何気なく読んだネット記事にあったEVについての記事にあった文です。
レクサスからテスラへの乗り換えを検討している消費者がインタビューに答えている。

僕はそれを読んでとても羨ましくなった。

それがこちら。

「私は次は何に買い換えようかと常に新しいものを探し続けるタイプ。それが昔から習慣なんだ」

原文の記事はこちら

東洋経済「日本車からテスラ、そしてサイバートラックへ」アメリカで起きているEVシフト加速の現実
https://toyokeizai.net/articles/-/888151?page=3

記事の内容はどうでもいいのですが、なんと気持ちよい宣言でしょう。

どうしてって聞かれて、「知らない。そういうタイプだからだよ。」って、いっそすがすがしいですよね。

日本語訳されるまえはどう表現しているのかわかりませんが、そういうタイプで習慣だというのは自分でも否定しようのない性向があると言っているように聞こえますよね。

でも実際、求める側は大抵これくらいシンプルなんですよね。

基本的にニーズ側はシンプルなんです。

でも、提供側はそうシンプルで入れません。

別の人は「環境にどう対応しているかが大事だ。僕はいつだってそれを大切にしているんだ。」というかもしれないし、「直観的にこのデザインは乗るしかないと思ったね」というかもしれない。

その商品やサービスの特徴にある程度幅を持たせていく必要が出てきます。

もう面倒になってつい「あらゆるニーズにお応えします」といいくなります。

でもそうすると主張がぼやけてしまうので広告はしにくくなります。

テスラのこのトラックのデザインは確かに新しいです。ですが、ピックアップトラックに乗る誰もが新しいものを探しているわけじゃないので、これが唯一の正解というわけじゃないです。

テスラはEVしか作らないのである程度方向性は限られますが、このデザインである必要はありません。それを決めるのがブランディングです。

ある意味ブランディングは正解を探すのではなく、作っていく、決めていく行為です。

企業のブランディングも同じで、社内外のニーズの一つ一つはいたってシンプルなことが多いのですが、集合となるといろんな可能性が出てきます。

ブランディングは減点方式では決められません。

100点の正解があって、そこに近づけようとするのではありません。

加点方式です。

一つ一つ決定を繰り返して、出来るだけ点を上げていきます。

ですから、結果100点を超えるかもしれません。

そこが難しいところです。

ここまでやれば正解というのがなくて、それを正解と意思決定しなければならないのです。

それは経営陣や従業員皆がこのテスラを欲しがっている方のように言えるようになることだと思います。

たとえば「社会のために最新技術を追求する」というビジョンの会社があるとして、スタッフの一人が誰かになぜその事業に挑戦するのか聞かれたときに、「我々は社会課題を解決するために常に新しい技術を探し続ているんです。それが我々なんです」と言えれば素敵ですよね。

企業文化のブランディングのゴールの一つがここです。

ざっくりしたワードですけど、これが自分の言葉で出てくるといかにも力強いですよね。細かいことは言葉で説明できなくっても、やっている価値観が腹落ちしていれば「それが我々だ」って言える。

そこが重要だと思います。

だから、言葉を決めて配布するのはまだ入り口なんです。

それがどう納得のレベルになっていくか。

そこが重要なんです。

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